6.テスト用回路


PICマイコンとしてWebでの製作記事などでよく目にする、8ピンのPIC12F1822を用いることにしました。信号の現示にはチップLEDを用いる予定ですが、テストにはモールド型の赤と緑のLEDを使います。停止/ブレーキ用のリレーには機械式か半導体式か迷うところですが、テストにはコイル電圧5V、140 mWのラッチリレーを用いました。
 回路図の描画にはUpverterを用いました。使い方がよく分かっていない(パーツがうまく探せない/作れない)ため、他の部品で代替していることもあり、余計な文字が入っていたりします。だいたいの雰囲気でお察しください。

6.1. 電源とデジタル信号入力回路

PICマイコンの電源、LED、リレーはすべて5V(または以下)で動作するので、交流19Vを整流平滑化した後、三端子レギュレータで5Vに降圧安定化して用います。手持ちのブリッジダイオードSD1260(2A)、三端子レギュレータNJM7805FA(1A)でテストしますが、実際の回路には500mA程度の定格のもので小型化する予定。ドロップ電圧はかなり大きいですが、消費電力が少なく、かつリレーコイルに対する電流もパルス的にしか印加しないので、放熱対策は特にしていません。

 平滑化用のコンデンサは1μFとしました。もっと大きいほうが良いのでしょうが、矩形波を折り返した形なので、平滑化という意味だけなら十分かと思います。外観的に信号機のベース部分とはいえ、レイアウトの表面に出てしまうパーツなので、サイズを優先しました。三端子レギュレータの出力側には発振防止用およびPIC12F1822のパスコンとして0.1μFを付けています。テスト用回路(ブレッドボード)では電源とPIC12F1822の距離が離れているので、それぞれの近傍に0.1μFを一つずつ付けています。

 PICマイコンへの入力用デジタル信号をB線から取ります。半波整流された信号を、5Vぐらいに降圧させてPICマイコンに入力します。ここの抵抗値は本番の回路ではもっと大きくても良いとは思うのですが、ブレッドボードでは浮遊容量のためか、50kΩぐらいだと波形がなまりました。ノイズに対するマージンも考えて本番では10~20kΩぐらいにする予定。テスト回路では手持ちの抵抗を適当に配置しています。


電源


6.2. PICマイコンの入出力/ ICPSへの接続

テスト用とはいえ、実機を意識した配置を考えます。まず、デジタル信号の入力にはRA4を割り当てます。PIC12F1822ではタイマ1のゲート入力がRA4かRA3かを選択できますが、RA3はMCLRも兼ねているので、RA4をデジタル入力ピンとしました。MCLRはデバッグ中は、できれば開けといた方がいいのかな、という忖度。テストでは入力専用のRA3は未接続ですが、実機ではスイッチを接続して通常モードとアドレス書込みモードの切り替えを行う予定です。
 現示用のLEDはPICマイコンから直接ドライブすることとし、RA0、RA1をそれぞれ赤、緑のLEDに割り当てます。LEDの電流制限抵抗は1kΩとしました。停止/ブレーキ用出力の制御には、ダブルコイル型のラッチリレーを用います。このリレーはセットコイルとリセットコイルの二つのコイルを持ち、パルス的にどちらか片方のコイルに通電することにより、セット、リセットを切り替えます。(回路図では二つのSPDTリレーが描かれています。これは働きとしては全然別ものです。ダブルコイルのラッチリレー(DPDT)のパーツがUpverter内で探せなかったので便宜的に置き換えたものです。)これら入出力関係はRA3を除き、かなり実機に近い回路になっていると思います。
 ICPS関連の配線は、そのまんまです。PICKit 3の6ピンヘッダ出力からMCLR/VDD/VSS/ICSPDAT, PGD/ICSPCLK, PGCに接続し、6ピンは無接続としています。この部分は実機では省略して、PICマイコンはソケット装着とする仕様を考えています。


IO/ICSP


6.3. デバッガ不調時の回路

上記の回路で、順調にプログラミング、デバッグを行っていたのですが、ある時点からデバッガがブレークポイント以外で停止するようになってしまいました。原因はわかりませんでしたが、マニュアルを調べてみると(まず最初に見とけ、という話ではありますが)、デバッガを使うときにはMCLRをプルアップするなど、いくつかの推奨条件があるようです。プログラムのデバッグを主な目的とする場合は、単純化してICSP関連のピンはPICKit 3専用とし、RA4はデジタル信号の入力、余ったRA2、RA5をインジケータとしてテストしました。この配置では、デバッガが挙動不審になることはありませんでした。


IO/ICSP2


5.アクセサリデコーダ         TOP pageへ 7.パケット取得開始タイミングの決定(タイマ1)
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